久常涼のセッティングを14本から読み解く
久常涼の14本を確認する前に
「久常涼 セッティング」で調べると、Qi35とQi4D、SM10とSM11、異なるパターの名前が並ぶことがあります。まず押さえたいのは、選手のクラブが一年を通じて固定されているとは限らない点です。練習日に撮影されたクラブ、特定大会で取材されたクラブ、記事が公開された日の情報を区別しないまま混ぜると、「最新の14本」を誤って伝えてしまいます。
久常涼選手は岡山県出身で、2002年9月9日生まれ。海外ツアーで戦う選手のバッグとして注目されますが、見どころは新製品の名前だけではありません。15度から21度へつながるウッド、性格の異なるアイアンの組み合わせ、ウェッジごとのシャフトの使い分けを見ると、各距離帯に役割を持たせた構成が浮かびます。

ドライバーからパターまでの使用クラブ
下表は、2026年ザ・アメリカンエキスプレス取材時点の掲載内容を、番手順に並べ直したものです。ロフト角やシャフトは掲載されている範囲に限り、推測で補っていません。とくにフェアウェイウッドのシャフト欄は掲載元でまとめて示されているため、番手ごとの詳細な組み合わせを表から断定しないようにしています。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| ドライバー | テーラーメイド Qi4D LS、10.5度 | 24 VENTUS RED、70g台・X |
| フェアウェイウッド | テーラーメイド Qi4D、3番15度・7番21度 | 掲載シャフトはVENTUS TR BLACK、80g台・X |
| 4番アイアン | テーラーメイド P7CB | プロジェクトX 6.5 |
| 5番~PW | テーラーメイド P7MC | プロジェクトX 6.5 |
| 52度ウェッジ | テーラーメイド MG4 | プロジェクトX 6.5 |
| 56度ウェッジ | タイトリスト ボーケイ SM10 | ダイナミックゴールド S200 |
| 60度ウェッジ | タイトリスト ボーケイ SM10 WedgeWorks | ダイナミックゴールド S200 |
| パター | オデッセイ ブラックシリーズ ツアーデザイン iX #9 | 取材時点の掲載モデル |
| ボール | テーラーメイド TP5x | 14本のクラブには数えない |
この表で数え間違えやすいのは、5番からPWまでのアイアンです。5・6・7・8・9番とPWで6本、これに4番アイアンを加えてアイアンは7本になります。ドライバー1本、ウッド2本、アイアン7本、ウェッジ3本、パター1本の合計が14本です。ボールのTP5xは用具情報として重要ですが、クラブの本数には入りません。
モデル名だけを見て「テーラーメイドで統一」と考えるのも正確ではありません。この取材時点ではドライバー、ウッド、アイアン、52度ウェッジ、ボールがテーラーメイド系。一方、56度と60度にはタイトリストのボーケイ、パターにはオデッセイが掲載されています。一本ごとの役割を見ずにブランドだけでセッティングを理解しないことが大切です。
1月の取材後の用具情報として、テーラーメイドは2026年2月13日、ペブルビーチ大会で久常選手が使用したQi4DフェアウェイウッドとTP5xボールを写真付きで紹介しています。ボールにはツアープロトタイプとの注記もあります。以下は2月時点の投稿で、上表の1月の取材内容とは時点を分けて見る必要があります。
#チームテーラーメイド の久常涼がPGAツアー「AT&T ペブルビーチ・プロアマ」の初日を終え、単独首位に躍り出ました!
「Qi4D」フェアウェイウッドシリーズと、本日発売の新しい「TP5x」ボールも久常プロの好プレーに貢献しています🚀
新しい「TP5x」ボール⬇️https://t.co/3JuegdNuNS pic.twitter.com/bOjPSUiZaW
— テーラーメイドゴルフ Japan🇯🇵 (@TaylorMadeJapan) 2026年2月13日
ウッドとアイアンのつながりを読む
久常選手の取材時点の長い番手は、10.5度のドライバー、15度の3番ウッド、21度の7番ウッド、そして4番アイアンという順です。ドライバーと3番ウッドの間だけでなく、3番ウッドから最長のアイアンへどう橋をかけるかが、セッティングを読むポイントになります。7番ウッドを入れている事実は確認できますが、それだけで特定の弾道や飛距離が得られると決めつけることはできません。
アマチュアがここから学べるのは、「プロも7番ウッドを使うから同じものを買う」ことではなく、最長のアイアンを安定して打てるかを起点に、その上の距離帯を埋める考え方です。たとえば手持ちの長いアイアンで球が上がりにくいなら、7番ウッドやユーティリティーを試打し、実際のキャリーと着地点を比較できます。ロフト表示が異なっても飛距離が重なることがあるため、番手名だけでバッグに追加しないのが賢明です。
アイアンは4番のみP7CB、5番からPWがP7MCです。同じ「アイアン」という枠でも、最も長い番手と、それより短い番手を別モデルにしているのが特徴です。2025年の取材データにもこの組み合わせとプロジェクトX 6.5が掲載されており、2026年に突然始まった組み方ではありません。
- 最長のアイアンを確認する:自分がコースで無理なく使える番手を基準に、ウッドとの間隔を測る。
- 距離の重複を調べる:練習場の一発の最長距離ではなく、複数球のキャリーとばらつきで比較する。
- モデルの役割を分ける:アイアンを全番手同じモデルにする前に、長い番手だけ別の候補も試す。
- シャフトを丸写ししない:掲載されているXや6.5という表記より、自分の振りやすさと打点の安定を優先する。
なお、GolfWRXが2026年8月に掲載した情報では、3番ウッドを「Qi4D Tour」と記し、アイアン欄にはP7CBの4番とP7MCの「4番~PW」が併記されています。これをそのまま一つの試合での14本と解釈すると、4番が重複します。バッグ写真や練習時の候補を含む掲載情報と、この記事の基準にした大会取材の一覧は、同じ形式の記録として扱わないほうが安全です。
ウェッジとパターに見る使い分け
ウェッジは52度、56度、60度の3本で、ロフトの表示上は4度刻みです。52度はMG4にアイアンと同じプロジェクトX 6.5を組み合わせ、56度と60度はボーケイSM10系にダイナミックゴールド S200というのが基準取材の内容です。メーカーもシャフトも全本数でそろえるのではなく、52度とそれよりロフトの大きい2本を分けている点が、このセッティングの具体的な特徴です。
ただし、ロフトが4度刻みだからといって、実際のフルショットの飛距離も等間隔とは限りません。ウェッジを参考にするなら、自分のPWのロフトとキャリーを先に確認し、次の一本までの空白を測るほうが実用的です。さらに、芝の薄いライから打つことが多いのか、深いラフやバンカーで使うのかによって、56度と60度に求める働きも変わります。久常選手と同じロフトを選ぶ前に、普段のコースで使う場面を洗い出しましょう。
パターについて、基準取材にはオデッセイのブラックシリーズ ツアーデザイン iX #9が掲載されています。一方、2026年8月のGolfWRXには、そのモデルに加えてスコッティキャメロンのDel MarプロトタイプとテーラーメイドのTP Collection Sotoも並びます。複数モデルが掲載されたことは確認できますが、どの試合の本番でどれを使用したかを、その一覧だけから確定することはできません。
パター選びで参考にしたいのも、モデル名そのものより結果の確認方法です。構えたときに狙いを合わせやすいか、短い距離で打ち出し方向がそろうか、長い距離のタッチが合うかを同じ条件で比べます。選手が試している可能性のあるモデルまで含めて「現在の愛用パター」と書くと、用具情報を探す読者に誤解を与えます。
2025年との違いと購入時の注意点
2025年の全米プロゴルフ選手権取材では、ドライバーはQi35の10.5度、ウッドはQi35 TOURの3番15度とQi35の7番21度でした。2026年ザ・アメリカンエキスプレスの取材では、ドライバーがQi4D LSの10.5度、ウッドがQi4Dの3番15度と7番21度として掲載されています。少なくともこの二つの取材記録を比べる限り、ウッド系のモデル名は変わり、掲載された3番・7番ウッドのロフトは同じです。
一方、4番のP7CB、5番~PWのP7MC、52度のMG4、56度と60度のSM10系という組み合わせは、両方の取材記録に見られます。ドライバーが変わったからアイアンまで一斉に入れ替えた、という説明は資料に合いません。また、2025年の取材ページはパターとボールの欄に具体的なモデルを示していないため、2026年のモデルと比べて「変更された」とも「変わっていない」とも、その二資料だけでは断定できません。
さらに2026年8月のGolfWRXには、ウェッジとしてボーケイSM11の56度とWedgeWorksの60度モデルが掲載されています。これは、2026年初頭の取材に載るSM10系とは異なる情報です。ただし掲載時期も情報の形式も異なり、8月のリストを根拠に「以後の全試合でSM11を使った」とは言えません。検索で見つけた新しい型番を古い取材時点の14本に差し込まず、「いつ、何を確認した情報か」を併記することが、セッティング記事の信頼性を左右します。
購入を検討する人は、モデル名、ロフト、シャフトを一括でコピーせず、まず自分のバッグの不足距離を特定してください。ドライバーなら左右の散らばりと打ち出し、ウッドなら地面から打った際のキャリー、アイアンなら長い番手の再現性、ウェッジならPWからの飛距離差を確認します。久常涼のセッティングは、同じ14本をそろえるための買い物リストではなく、各距離帯に何を任せるかを考えるための具体例として読むと役立ちます。
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