渋野日向子の全英女子オープン優勝を徹底解説|最終日の逆転劇と快挙の意味

渋野日向子の似顔絵イラスト ゴルフ

渋野日向子の全英女子オープン優勝を知る基礎と核心

四日間のスコアでたどる全英女子の快挙

初出場で海外メジャー制覇

2019年の全英女子オープンで、当時20歳の渋野日向子が通算18アンダー。メジャー初出場で初優勝を果たしました。

最終日の後半に猛反撃

3番のダブルボギーで首位を譲ったものの、後半に5バーディーを奪取。最終18番の一打で接戦を制しました。

日本ゴルフ史に残る記録

日本選手の海外女子メジャー優勝は、1977年の樋口久子以来42年ぶり。女子では史上2人目の快挙でした。

渋野日向子が優勝した大会と「42年ぶり」の意味

渋野日向子が全英女子オープンで優勝したのは、2019年8月4日のことです。舞台はイングランドのウォーバーンゴルフクラブ。4日間72ホールを通算18アンダーで回り、2位のリゼット・サラスに1打差をつけました。最終日のスコアは「68」。当時20歳だった渋野にとって、海外でプレーする初めての大会であり、メジャー大会への初出場でもありました。大会公式サイトは、初めて日本国外の大会に出場した渋野が、そのまま初のメジャータイトルを手にしたと紹介しています。

この優勝が「42年ぶり」と呼ばれるのは、日本選手による海外女子メジャー制覇が、1977年の全米女子プロ選手権を制した樋口久子以来だったためです。渋野は女子では日本選手史上2人目のメジャー覇者となりました。単に海外の大会で勝ったというだけではありません。世界の有力選手が集まるメジャーで、初挑戦の選手が最終日まで優勝争いを続け、最後のホールで勝負を決めたことに、この快挙の際立った価値があります。

渋野日向子 メジャー制覇 42年ぶりの快挙 |JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

大会名にも触れておきましょう。2019年の大会は「AIG全英女子オープン」として報じられ、英語では当時「AIG Women’s British Open」の名称が用いられていました。現在の大会公式サイトでは「AIG Women’s Open」と表記されています。名称の違いによって別の大会に見えるかもしれませんが、この記事で振り返るのはいずれも渋野が2019年に優勝した全英女子オープンです。なお、大会が女子メジャーに昇格したのは2001年。1984年にも岡本綾子が同大会で優勝していますが、それはメジャー昇格前の記録です。この点を押さえると、「全英女子で優勝した日本選手」と「海外女子メジャーを制した日本選手」を混同せずに理解できます。

大会公式サイトの渋野日向子選手紹介

4日間のスコアと最終順位を確認

項目 基準・内容 備考
大会 2019年AIG全英女子オープン イングランドのウォーバーンGCで開催
渋野の各日スコア 66、69、67、68 4日間すべて60台
優勝スコア 通算18アンダー、270打 最終日は4アンダーの68
2位 リゼット・サラス、通算17アンダー 渋野との差は1打
3位 コ・ジンヨン、通算16アンダー 渋野との差は2打

最終順位にも接戦ぶりが表れています。サラスは最終日に「65」を記録して通算17アンダーまで伸ばし、渋野が18番に来た時点で両者は並んでいました。サラスの猛追に対し、渋野は最後の一打で通算18アンダーに到達。1打差という結果は、18番のバーディーパットが単なる締めくくりではなく、優勝を決定づける一打だったことを示しています。

日本女子プロゴルフ協会による大会結果

最終日の3番から18番までの逆転劇

最終日は2打差の単独首位から始まりましたが、序盤の3番パー4で4パットのダブルボギーを喫します。大きなリードを持ってスタートしても、メジャーの最終日には一つのホールで流れが変わります。渋野は前半9ホールでスコアを一つ落として折り返しました。その間にライバルもスコアを伸ばし、優勝争いは追われる立場から追いかける展開へと変わりました。

最終18番パー4を迎えた時点で、渋野とサラスは通算17アンダーで並んでいました。渋野は第2打をグリーンに乗せ、バーディーパットを沈めて決着をつけます。パットの距離は報道によって約5メートル、約6メートル、約7メートルと表現が異なります。そのため距離を一つに断定するよりも、決めれば単独首位に立つバーディーチャンスを最後にものにした、という勝負の構図を見ることが大切です。大会公式サイトも、並走したサラスを18番のバーディーで振り切った経緯を伝えています。

最終日の内訳は7バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの「68」です。3番のミスだけを切り取ると苦しい一日に見えますが、後半に5バーディーを重ねたことで4アンダーにまとめました。ゴルフでは、序盤の失敗を消すことはできません。それでも残るホールで攻める機会を見極め、スコアカード全体を立て直せる。この優勝には、そんな競技の面白さが詰まっています。

「スマイリングシンデレラ」と呼ばれた理由

渋野の全英女子オープン優勝を語る際、プレーとともに思い出されるのが笑顔です。大会中、渋野は観客とのやり取りでも注目され、海外では「Smiling Cinderella(スマイリングシンデレラ)」と呼ばれました。大会公式サイトによると、最終18番でも、パットを打つ前に声援を送る観客へ笑顔で手を振っていました。接戦の重圧がかかる場面で見せた姿が、強気のプレーと並んで大会の印象を形づくったのです。

ただし、笑顔を「緊張していなかった証拠」と受け取るのは正確ではありません。大会公式サイトが紹介した試合後の本人の言葉によれば、前夜には最終日に緊張するだろうと考えていました。また、リーダーボードを見て自分の順位を把握し、18番のパット前にも、それを決めた場合のことを思い描いていたといいます。状況を知らずに無邪気にプレーしたのではなく、勝負の行方を意識しながらプレーしていたことがうかがえます。

大会公式サイトによる2019年優勝の振り返り

初出場優勝が持つ価値と観戦の見どころ

この優勝の価値を考えるうえでは、「メジャー初出場」「初めての海外大会」「日本勢42年ぶり」という三つの要素を分けて見るとわかりやすくなります。初出場ではコースや大会の雰囲気を実戦で知る経験が限られます。その条件で、渋野は初日から上位に入り、3日目に首位へ浮上し、最終日に逆転されても再びスコアを伸ばしました。偶然の一打だけで生まれた優勝ではなく、4日間を通じた好スコアと最終盤の勝負強さが重なった結果です。

Hinako Shibuno | Player Profile | AIG Women's Open
Find out more about Hinako Shibuno's results and performances in the AIG Women's Open.

渋野日向子の全英女子オープン優勝は、2019年の一大会の結果であると同時に、日本ゴルフの歴史に残る出来事です。樋口久子以来42年ぶりの海外女子メジャー制覇という記録に加え、4日間すべて60台で回った安定感、3番の失敗からの立て直し、そして18番で勝ち切った結末がそろっています。スコアだけを確認しても偉業は伝わりますが、各日の順位と最終日の後半9ホールを合わせてたどることで、なぜこの優勝が今も語られるのかを、より深く味わえるでしょう。

Olympics.comの大会ハイライトと優勝パット

GOLF TODAY ( ゴルフトゥデイ ) 2019年 10月号 No.568 【特別付録】 渋野 日向子 ポスター

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